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心の字をかたどった心字池を中心とした賞心庭は中根史郎氏と中根行宏氏による作庭であり、神勝寺では無明院の枯山水庭園を手掛けた中根金作氏から数えて三代に渡る庭を一堂にご覧いただけます。

作品紹介

【 賞心庭(しょうしんてい)/ Shosintei 】

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1.心字池「心」の字をかたどった苑池。心の如く広がる大海を表現している。北方の旧池と一体で泮池の役割も果たしている。
2.大沓脱石旧開基堂から移された大石。雨落ちの水掘れ穴が、期せずして旧位置とすべて一致している。

3.茶園遥か昔に栄西が自ら行ったと同様に、中国から大切に持ち帰った種が生育した茶樹園。毎年庭園主が、新茶を摘み、茶を供している。
4.九山石含空院前に組まれた十石。日本一の名山である富士山、香久山・畝傍山・耳成山の大和三山、東岳泰山・南岳衡山・中岳嵩山・西岳崋山・北岳恒山の中国の五岳を象徴的に表現している。

5.礼拝石龍華の滝上の多宝塔を礼拝するための象徴的な場である。
6.龍華の滝弥勒仏が龍華樹のもとで行う説法に会座して成仏するとされる衆生の如く、来園者もこの滝の音を聞いて仏心をもって頂きたいとの願いを込めた命名。

7.舟着舟石もこの舟着から神仙島に向けて出港した。
8.出舟石不老不死の妙薬と財宝を求め、神仙島に向けて出港する船団を象徴的に表現している。

9.花塢樽咲き誇ったサツキが樽の様にも見える土手の意味で、蘇東坡の賞心十六事にも数えられている。
10.蓬莱島中国の遥か東方海上にあると伝えられた三島一連の神仙島の一つ。

11.方丈島これら神仙島には、金銀財宝が溢れ、不老不死の妙薬があると信じられた。
12.瀛州島不老不死の仙人の住む神仙島を苑池に配することで、施主と来園者の繁栄と長寿を祈念している。

13.州浜荒磯の如く長く続く州浜は、神仙島に向けての航海の難儀さをも示している。
14.春の路咲き誇る桜花の路が、つぼみ、満開、散花と言った人生、此岸を表現している。

15.紅葉山美しい紅葉に覆われる紅葉山は、荘厳された極楽浄土、彼岸を表現している。
16.臥龍松旧宮澤喜一宅からご寄贈を受けた松樹で、長く伸びた優雅な樹形は、臥龍を思わせる。

17.龍背橋美しい曲線の反橋は、国際禅堂に向かって飛翔を始めた龍背の様に見える。
18.右紅・左白の蓮門前右岸の紅花、左岸の白花の蓮。泥沼から生じるが、しかし濁りに染まらず清く美しく咲くことから、仏教思想の象徴的意義が託されている。

19.座禅石州浜近くの苔上に据えられた大石。山門脇には、栂尾の明恵上人の「樹上座禅像」に描かれた赤松に似た三幹の杉も植えられている。
20.須弥山石須弥山は、仏教的宇宙観における聖山で、金、銀、瑠璃、玻璃の四宝で出来、四天王また帝釈天を第一人者とする三十三天の住処があるとされる。「九山八海石」と称される同意の浮石は金閣寺の園地内にもある。

21.鯉魚石龍門瀑を遡上すれば龍と化し天に昇る、と伝えられる鯉が、今まさに滝登りを始めんとしている姿をあらわしている。
22.神勝寺垣京都鷹峯の光悦寺垣にヒントを得た竹垣で、組子の数を増し竹穂を編み込んだ独特の意匠は、庭園主の好みである。

23.松竹梅(歳寒三友)寒中にあっても青さを失わない松と竹、まだ寒い季節に開花して芳香を放つ梅、これらは「歳寒三友」として、中国では節操を曲げぬ士人の精神、日本にあっては「松竹梅」と呼ばれ、吉祥的な意味をもつものである。

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作家略歴

中根史郎 中根庭園研究所 所長

1950年、京都市生まれ。中根庭園研究所所長、(社)日本庭園協会理事。1975年に学習院大学文学部哲学科卒業後、中根庭園研究所入社。経営する中根庭園研究所の業務として、庭園の設計施工、社寺庭園の維持管理などのほか、古庭園の調査保存修理、巨樹古木の樹勢回復を行うかたわら、「茶道雑誌」に1991年1月から1997年3月まで庭園の要素と庭園の流れについて連載。茶道関係の出版社からの著作も多い。国内では専門家を対象とした研修会講師を勤め、欧米や中国から招かれて講演する機会が増えている。